【登山】遭難者は迷惑だから救助しなくていい!と言う意見に反論してみた【事故】

日々あれこれ


登山

良いですよね。

春は残雪と花・夏は新緑・秋は紅葉

そして、冬は限られた者しか見ることのできない絶景

写真は2019年元旦の仙丈ヶ岳(甲斐駒ヶ岳より撮影)


それぞれの季節・それぞれの山で違う表情を見せてくれる山は

魅力的で沢山の人をその懐に受け入れてくれます。



しかし、残念ながら毎年のように起きるのが

遭難事故


ケガで済めばまだいい方で

当然、亡くなった方もたくさんいらっしゃいます。

そんなニュースがテレビを賑わせたとき
決まって出てくるコメントが

「登山者なんか死にに行ってるようなもんだから救助しなくていい!」
「税金の無駄遣いだ!」


そんな悲しいコメント。

今回は、富士山に5回以上登り

全国の山へ毎年のように遠征に出かける山男の私が

「遭難者の救助不要論」にちょっと反論してみたいと思います。



そもそも山での遭難者は多いのか?


2019年現在書いているこのブログ

今年はセンセーショナルな遭難事故が起きました

 ニコニコ生放送での富士登山配信中、山頂付近から男性が滑落したとみられていた件で、静岡県警は11月12日、須走口7合目で発見されていた遺体について、身元が判明したことを明らかにしました。遺体は東京都新宿区在住の男性、塩原徹さんで、年齢は47歳。死因は滑落による損傷死とのこと。

引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191112-00000078-it_nlab-sci

これはテレビでも大きく取り上げられ、インターネット上では更に爆発的な話題を集めました。

お亡くなりになった方は、正直言って装備不足・技術不足・経験不足だったと思いますし、事故にあうべくしてあってしまったな。

と言う感想を持ちました。

ただ、ここで質問です。

2019年

この事故以外に登山での滑落・遭難事故のニュースをどれくらい皆さん覚えていらっしゃるでしょうか?



ご存知の方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?


実は、山での遭難件数は全国で年間2,500件前後(2018年は2,661件)

ちなみに海難事故の件数は

  • 船舶事故 2,000件前後(2018年 2,204件)
  • 人身事故 2,500件前後(2018年 2,618件)

2018年の山岳事故が2,661件なのに対し
海難事故は4,822件と倍の数字になっています。


もちろん、数の勝負ではありません

ただ、山での事故と比べて倍の件数に登る海難事故については

「海水浴や釣りに行く人の救助は税金の無駄だからやめろ!」

と、言う声はこれまであまり聞いたことがありません。



海難事故と比べて、山岳事故が叩かれやすいのは、山岳事故は一回の事故のインパクトが大きく珍しいため

世間の声が反応しやすくなっているのではないかと推測します。

もっと言うと、年間の救急車の出動件数を皆さんはご存知でしょうか?

その数なんと660万件/


「登山事故の件数と一般的な救急出動を比べるなんて話がずれてる!」

と、言う方もいらっしゃるかもしれませんが

山岳救助隊も救急隊も税金から給与をもらった「自治体の職員」が出動しています。

同じように税金が使われ、給与の支払い・手当の支払い・装備の購入が行われています。

十分、比較するに値するでしょう。

さて

登山者の救助は税金の無駄だ


と、語る方は。

果たして

「軽症で救急車を要請するのは無駄だ!出動する必要は無い!」


と、日ごろから主張しているのでしょうか?

そうでなければ、山岳救助だけをやり玉に挙げるのは筋違いかと思います。


遭難事故と自動車事故は何が違う?

「山での遭難者は自己責任。」

これも、ネットを散策しているとよく目にします。


もちろん、ある程度難易度の高い登山に挑戦される方はそんなこと百も承知

ビギナーの方も
「山は危ないから気を付けよう!」
と、思っている方が大半です。

それでも、ベテラン・初心者問わず事故は起きてしまいます。

さて、これも自己責任で片付けてよいのでしょうか?

そんなことを言い出すと、世の中の全ての行動は基本的に自己責任です。

  • 不摂生での急病による搬送
  • 自動車事故

これらも全て自己責任になってしまいます。

「それは極論だ!」

そう主張されるかもしれませんが

では、なぜ登山だけが自己責任で救助が不要

自動車事故は救助が必要

このようなロジックになってしまうのでしょうか?


結局は自分に関係あるか無いかだけ


僕は、遭難事故に対する救助不要論を見かけるたびに思います

「この人たちは絶対に登山したことないな。」


  • 標高の高い登山口では各自治体が装備の確認を行っていること
  • 場合によっては入山を止められること
  • 山小屋・各ボランティアの方が登山道の整備を全力で行っていること


事故が起こらないように、その他にも様々な措置を講じています。

それは、海水浴場でもキャンプ場でも同じことだと思います。


結局、人は自分に関係あることには寛容になり

自分と関係ない事には厳しくなりがちです。
(現に僕も心当たりがあります)


現場では、様々な方がたくさんの努力をし登山が趣味の方の安全を確保しようとしています。

その事実を知ったうえで、なお遭難者の救助不要論があれば聞いてみたいですが…

皆さんの意見はいかがでしょうか?

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