日本シリーズも終わり
11月からはドラフト会議・外国人選手の補強・FA宣言などの選手獲得
大型補強をするチームや選手流出するチーム
どちらにとっても盛り上がる時期ですが
その裏で進んでいくのが
選手の戦力外通告
目が出なかった若手から
結果の出なかった中堅
出場機会が激減したベテランまで
毎年、10人前後の選手が各チームから去っていきます
ところでこの戦力外通告
- 一体どんな理由で通知されているのか
- 一体誰が決めるのか
今回は、そんな「戦力外通告」の詳細に迫ってみたいと思います!!!
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Contents
考えるべきは「費用対効果」
まず選手を戦力外にするかどうか
これは「戦力になるかどうか」で考えると
少し判断を間違えるかもしれません。
プロ野球はあくまでショービジネスですので
「球団の利益になるかどうか」を最優先で考える必要があります。
戦力外になるかどうか
成績は本質的には関係ありません。
成績を含めて「球団の利益になるかどうか」が判断基準になります。
- 人気面を含めたグッズの売り上げ
- 将来性
- ドラフトの指名順位
(出身校・企業との関係性) - ポジションの希少性
- 将来のフロント入りの可能性
(早稲田・慶応等の大学は特に)
戦力外にするか・しないかは
この辺りが大きな理由になりますね
一つずつ覗いていってみましょう
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斎藤佑樹が戦力外にならない理由
日本ハムファイターズのファンだけでなく
プロ野球ファン全員の謎かもしれませんが
かつて甲子園のスターとして活躍したハンカチ王子も
当時のライバル「田中将大」選手に大きな差を空けられています
10年プロ野球界に在籍し
88試合に登板 15勝26敗 防御率4.34
年棒は2021年現在・推定で1,250万円ですが
2020年は登板なし。
2021年1月29日現在
32歳であるということを考えると
おおよそ戦力であるとは言えません。



実際、こんな声がちらほらと上がっています。(笑)
ここで考えたいのが
「斎藤佑樹選手に1250万円かける価値があるかどうか?」
と、言うこと。
ここから先は球団内の情報だと思うので
あまり適当な事は言えませんが
ある筋の話では
企業経営を考える上で、日本ハムにとって斎藤はまだまだ魅力的な所属選手であることは間違いない。
~中略~
球団内からは実際のところ「さすがに大谷と中田の2トップには及ばないが、グッズの売り上げは他の主力クラスとそん色ないかそれ以上」との証言もある。
~中略~
球団関係者によると「あの佑ちゃんがいる球団=日本ハム」として認知している一般層の人が世間には相当数でまだ存在するとのこと。その具体的な人数も非公開レベルながら球団内部でデータ化されて保管されており、これは球団幹部たちの間でも無視できない事実として受け止められているという。
さすがに2021年、32歳になった斎藤佑樹選手の売上が
そこまで上がっているかどうかはわかりませんが
詳しい野球ファンではない一般人にとっても
日ハム = 佑ちゃんがいる球団
と言う認識があると言う事は
それだけの「広告塔」になっていると言えるでしょう
まったく広告としての性質は違いますが
野球場の広告は
バックネット:1-2億円
ベンチ内:100万-200万円
内野フェンス:800万-1000万円
内野席通路壁面:100万-500万円
バックスクリーン周辺:2000万-1億円
外野フェンス:800万-2000万円
とも言われているほど、広告料と言うのは莫大かかりますから
一般人に対してある程度の知名度を持つ選手を抱えると言うのは
とても大きな広告効果があると言えるでしょう
和田一浩は30歳を超えて開花した
続いて「将来性のある選手」に関して
ただただ若いと言うだけで戦力外を回避できるわけではありませんし
年齢を重ねているからと言ってすぐクビになるわけではありません。
2000本安打を達成した
西武~中日のレジェンド「和田一浩選手」
和田選手がまともに試合に出始めたのは30歳から
そこからの14年間で選手生活の大半の安打数を稼ぎ
2,000本安打を達成しました。
(合計2,050安打)
まぁ、このケースは稀かもしれませんが
いずれにしても
- 若いからクビにするのは速すぎる
- 歳だから早くクビにしろ
と、言う安直なものではないのがプロの世界
素人の我々には見えない
- 持っているポテンシャル
- 日ごろの練習態度
- 監督・コーチとの関係性
- 他のポジションとの兼ね合い
こんなところで
選手を切るのか、ドラフト選手を獲得するのかが決定します
「ドラフト1位」は簡単にクビにできない
コスト面、年齢での問題もありますが
もう一つ戦力外にするかどうかの判断基準として
ドラフトの指名順位
があります。
ドラフト上位指名された選手は
契約金やその他の出場機会に関して優遇されるのは当然ですが
その後の待遇でも下位指名の選手とは大きな差が出ます。
その中の一つにあるのは
戦力外になりやすいかどうか
です。
信じられないかもしれませんが
ドラフト上位指名よりも下位指名の方がクビになりやすいです。
逆にドラフト1位の選手が2~3年でクビになるなんて
よっぽどのことがないとあり得ません。
もっと言うと
有力高校・大学・企業のドラフト1位クラスの選手を獲得しようと思えば
「〇〇を指名するのであれば〇年は戦力外にしないこと」
「〇年以内に1軍で出場させること」
と、言う約束事があると言われています。
この約束を破ると
それ以降、出身校や企業から選手を指名できなくなったり
スカウトが出入り禁止になってしまいます。
となると、この約束を反故にすることはできず
結果が出なくてもしばらくはチーム内に在籍させる必要があります。
これも、一つ選手を戦力外にするかどうかの基準になってきます。
捕手は育てるのに時間がかかる
戦力外になる・ならないで考えると
ポジションの兼ね合いも考える必要があります。
投手や野手に関しては
ドラフトや外国人選手の補強で
毎年厳しい競争にさらされていますが
プロ野球には一際クビになりにくいポジションがあります
それがキャッチャー
- 伊東 勤(引退年齢41歳)
- 古田 敦也(引退年齢42歳)
- 矢野 燿大(引退年齢42歳)
- 谷繫 元信(引退年齢45歳)
- 阿部 慎之助(引退年齢40歳)
名捕手をずらりと並べましたので
現役時代が長いのは当然ですが
バリバリのレギュラーでなくても
キャッチャーと言うポジションは総じて現役年数が長くなる傾向にあります
理由としては
- 一度身に着けた技術と知識に価値がある
- 投手陣と野手陣の橋渡しとしての役割がある
- 「良いキャッチャー」は簡単には育たない
高校卒業したてのキャッチャーは
一人前になるのに10年かかるとも言われています
更にここ数年は
1人のキャッチャーがシーズンを通して戦う事が少なくなっています
(膝・腰の負担軽減のため)
1軍に3人
2軍に3人の体制で回すのがトレンド
このことから成績が悪くても
ベテラン捕手ほど逆に戦力外にしにくくなります
全てを含めた「費用対効果」を検討して決定される
ここまで様々な戦力外に関する考察をしてきました
「戦力外はただ成績や年齢だけで決まるわけではない」
と、言う事が理解していただけたでしょうか?
- グッズを含めた売上
- 選手の将来性
- 各ポジションの兼ね合い
- 選手の持つ人間関係
この辺りの事を全て費用対効果として計算して
判断されていくわけですね。
戦力外の選手は一体誰が決めるのか?
では、この戦力外は一体誰が決めているのか?
当然、球団のオーナーが関わってきますが
最終判断は各球団で変わってきます
- 球団オーナー
- 球団社長
- GM(ゼネラルマネージャー)
- 球団代表
- 監督
と、いったチームの上層部全体で話し合う事は間違いありません
権限の大小はあると思いますが
「誰かが一人で決める」
と、言ったことは無いでしょう
それから、選手の雇用に関して
チームの監督が現場からの要望と言う形で出すことはできるかもしれませんが
監督に決定権があるチームは無いでしょう
(星野仙一監督は別格だったそうですが…)
翌年の補強と合わせて戦力外に関しても
「会議」と言う形で決められます
プロ野球は「あくまでビジネス」であることを忘れない
いずれにしてもプロ野球と言うのは
ショービジネス
でしかありません。
選手の獲得・解雇に関しても
球団に利益があるかどうかを最優先で考える必要があります。
強くても利益が上がらなければ球団の経営はひっ迫しますし
最下位でも儲かればある意味成功なわけです
(ファンは起こるでしょうが。笑)
その全体を把握したうえで
11月からの戦力外のメンバーを予測してみる
結果を確認してみるのも面白いかもしれませんね!
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